ニュース速報
ビジネス

中国製油業者の原油購入活発化、需要増見越して在庫再拡充狙う

2024年01月17日(水)12時16分

 1月17日、中国の石油精製業者が、3月と4月に受け渡される原油の購入を積極的に進めている。写真は石油基地のターミナルに停泊する石油タンカー。江蘇省で撮影(2024 ロイター)

Muyu Xu

[シンガポール 16日 ロイター] - 中国の石油精製業者が、3月と4月に受け渡される原油の購入を積極的に進めている。相対的に価格が低くなった機会をとらえ、年後半に予想される需要増大を見越した在庫の再拡充に動いているためだ。複数の関係者が明らかにした。

中東情勢緊迫化にもかかわらず、国際指標の北海ブレント先物価格は1バレル=80ドル未満にとどまっており、買い手にとっては妙味がある。さらに中国政府が原油輸入と燃料輸出について業者に新たな割当枠を発出したことで、業者の原油購入と操業ペースが加速している。

ケプラーのアナリスト、ビクター・カトナ氏は「今年第1・四半期から第2・四半期は、夏に備えて在庫積み増しの動きが広がるだろう」と述べ、これは2023年のパターンの再現だと説明した。

中国は23年に大量の原油を購入し、在庫規模は10億バレル強と過去最大を記録。製油業者は7月終盤以降、この在庫を取り崩すことで、サウジアラビアの自主減産に伴う原油高の局面を乗り切ることができた。

ボルテクサとケプラーが集計したデータによると、先週の原油在庫は9億3300万―9億5100万バレルに低下した。23年第4・四半期に原油の精製活動が高まったことが影響した。

中国の製油業者と取引があるトレーダーの一人は「中国国際石油化工聯合(ユニペック)を筆頭に中国の業者は今月、急速に動き、輸送料金が高い米国以外の世界中から原油を買っている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、6月以来の高水準=ベー

ワールド

ローマ教皇の容体悪化、バチカン「危機的」と発表
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 5
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中