独政府、電気料金高騰で国内産業支援へ 最大120億ユーロ

ドイツのショルツ政権は9日、電気料金の高騰に直面している国内産業を支援する5年間の包括的な政策で合意した。写真は、ドイツ・ニーダーザクセン州のLED街路灯。2013年5月23日に撮影。(2023年 ロイター/Fabian Bimmer )
[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツのショルツ政権は9日、電気料金の高騰に直面している国内産業を支援する5年間の包括的な政策で合意した。企業が生産コストの低い国へ拠点を移す流れに歯止めをかけるのが狙い。
ショルツ首相によると、支援策の規模は来年だけで最大120億ユーロ(128億3000万ドル)に上る。リントナー財務相は、財政赤字を厳しく制限する「債務ブレーキ」の枠内で支援策の資金を手当てすると説明した。
政府は昨年、企業や家庭を守るために電力・ガス価格に上限を設けたが、大手企業からドイツの電気料金は国際的な基準に照らすとまだ高すぎると不満の声が上がっていた。
新たな包括策には(1)全製造業を対象に電力税を欧州連合(EU)法の許容限度いっぱいまで引き下げる、(2)海外企業と競合し、拠点移転のリスクが最も高い350社を対象とする支援の金額を引き上げ、期間を5年間延長する―といった支援が盛り込まれている。
ハーベック経済・気候保護相は「中小企業から大企業まで、幅広い産業の競争力を支援することができる共通の道筋を見出せたのは重要だ」と強調した。