コラム

全面戦争を避けたいイランに、汚職疑惑を抱えるネタニヤフが「悪夢の引き金」を引く

2024年08月20日(火)15時58分

もしイスラエルおよびアメリカとの戦争に乗り出せば、苦境にあるイランの現体制はさらに厳しい状況に追い込まれる。それに、ペゼシュキアンがアメリカとの緊張緩和を推進し、西側諸国による経済制裁の緩和を実現する道も閉ざされる。

イラン指導部は、非合理な思考はしない。国家の存続を最優先に考えているはずだ。戦争になればどのような結果になるかも理解している。戦争に発展することを避けつつ、メンツを保つことのできる軽い仕返しをしようと考えているのだろう。


しかし、イランの選択を左右する最大のカギを握っているのは、イスラエルのネタニヤフだ。そして、そのネタニヤフはこれまでのところ、ガザの停戦実現よりも、ハマスの殲滅と自身の政治生命の延命を優先し続けている。

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グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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