自称「言論の自由絶対主義者」が買った「おもちゃ」とマスクが取り憑かれる思想
マスクも早速、その圧力を受けている。影響力のある多くのツイッターユーザーは、陰謀論者や偽情報とマスクの関係を理由に退会を表明。
ゼネラル・モーターズ(GM)などの企業は、新しいルールが明確になるまで広告を停止した。公民権団体は偽情報やヘイトスピーチから社会を守るため、投稿監視を維持するよう要求している。
これに対してマスクは、公民権や言論の自由の専門家からなる独立した評議会を設置してコンテンツ規制を任せる意向を表明した。
実際にこうした評議会が設置されれば、今回の買収劇は世界一の大富豪が過去10年間のうち8年間赤字の会社を、割高な値段で買ったというだけの話になるだろう。だが、マスクが「言論の自由絶対主義」に固執すれば、ツイッターは現代社会の分断に貢献し続けることになる。
私個人は、マスクは苦いけれど必要な教訓の大半を最終的に受け入れると考えている。自由な社会を維持するためには言論の規制が欠かせないという教訓を。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと 2024.10.22
戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイスラエルを待つ落とし穴 2024.10.08
カマラ・ハリスの大統領選討論会「圧勝」が、もはや無意味な理由 2024.09.25
共和党バンスvs民主党ウォルズは、あまりに対照的な副大統領候補対決 2024.09.03
全面戦争を避けたいイランに、汚職疑惑を抱えるネタニヤフが「悪夢の引き金」を引く 2024.08.20
大統領への道「勝負の100日間」ハリスの物語と夢のパワーがアメリカの命運を決める 2024.08.01
追い詰められた民主党が苦しむ「バイデン降ろし」のジレンマ 2024.07.20