米中スパイ戦争──在ヒューストン中国総領事館の煙は「21世紀新冷戦の象徴」
2000年以降、中国に対する知的財産権侵害訴訟は1200件以上に上る。だが私は米情報機関の出身者として、大半のスパイ行為は摘発を免れていると断言できる。
1980年代、それまで秘密とされていた中国のロプノール核実験場を訪れた最初のアメリカ人科学者は、「彼らは何でも持っていた」と語っている。アメリカで秘密情報を入手する方法を指導するために書かれた中国のスパイ教本にはこうある。「風を完璧に遮断する壁は存在しない」
中国が機密書類を燃やさなければならなかった直接の理由は、再選を目指すトランプがコロナ対策の悲惨な失敗から有権者の目をそらそうとしたためだった。しかし、中国が対米情報活動を強化しているのも事実だ。米中は既にスパイ戦争に突入している。どちらかの国の機密書類が燃やされるのは時間の問題だった。
<2020年8月4日号掲載>
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2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」
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