コラム

日本の「お家芸」に勝算あり?...アメリカ一強の宇宙ビジネスで「日本が勝つ」方法

2024年11月27日(水)17時01分

資産運用会社レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 藤野英人氏

資産運用会社レオス・キャピタルワークス最高投資責任者 藤野英人氏(「お金のまなびば!」より)

アメリカに対抗するのではなく「うまく乗っかる」こと

とはいえ、日本の宇宙開発における投資額は他国に比べて大きいとはいえない。世界と比較した際、日本は太刀打ちできるのだろうか。多くの人が思い浮かべる「世界」とはアメリカを指すが、「アメリカと張り合うことは現実的ではない」と藤野氏は指摘する。

「アメリカが投資するところにうまく乗っていくことが、現実的な1つの策だろう。無理に対抗するよりも、ほかの国と手を組むことも1つの手。例えば、インドと協力してロケットを開発する動きが実際にある。また、先進国で軍事力にも優れているけれど宇宙開発に乗り遅れている国がイギリス。イギリスに資金を出してもらい、一緒に開発する方法もある」

見方を変えれば、いくらでもマーケットを勝ち抜く術はあると藤野氏は言う。世界全体を俯瞰しながら、現実的な「勝ち筋」を見据えるのが良さそうだ。

※個別銘柄を推奨するものではありません。

構成:酒井理恵

●YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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