コラム

日経平均高値は「面白くなる日本」の先取り 投資で失敗しない方法は?

2021年05月10日(月)11時10分
藤野英人

「お金のまなびば!」より

<情勢は未だ不透明だが、「今後20年、日本にはもっと成長する余地がある」とひふみ投信の藤野英人氏は主張する。世界株と日本株、どちらに投資するのがいいのか。その場合に忘れてはならないことは?>

ひふみ投信シリーズのファンドマネージャーとして知られる藤野英人氏と、お金や投資、経済について学んでいくYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

今回取り上げる動画は、「【資産形成】今からでもスタートできる!買うべきは日本株?世界株?」

ひふみ投信シリーズの運用成績は、この12年で6倍以上になっている。その理由として、藤野氏は「それだけ株価が上がる会社がたくさんあったということ。感覚的には、株価が上がる会社はまだまだ増えており、日本の株式市場の中でもっとチャンスが出てくる」と語る。

2021年2月、日経平均株価が約30年ぶりに3万円台の大台を突破したことは、人々が改めて日本株に注目するきっかけとなったはずだ。しかし、コロナ禍においてはいつ大暴落するかも分からず、先行き不透明との見方も強い。

特に外出自粛の影響で、外食産業や観光業が苦境に立たされている現状は周知の通り。

しかし、藤野氏によると、知らないうちに立ち直っていく可能性が高いという。なぜなら、「コロナ終息後にしたいこと」として旅行を挙げる人が圧倒的に多いからだ。

「今は苦しい状態でも、いつか経済は回ってくる。これまでの20年よりこれからの20年のほうが、日本社会はもっと面白くなるだろう」

株価変動の要因は1つではなく、さまざまな要素が複合的に絡み合っているが、端的に言うと将来に対する期待値が高いほど株価は上がる。

藤野氏によれば、日経平均が上がったのは、これから面白くなる日本社会を株価が先取りしたから。今こそ「日本株にも投資を」と力を込める。

「もちろん、アメリカ、ノルウェー、中国など、面白い会社、成長が見込める会社は世界にたくさんあり、ひふみシリーズでも1年半ほど前から世界株のファンドを開始した。しかし、日本株と世界株のどちらか一方ではなく、両方とも投資してもらいたい」

ひふみ投信は主に日本の成長企業に投資することで知られるが、決して日本株一択、という考え方ではないようだ。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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