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「国らしい国を作る」韓国・文在寅大統領に期待高まる
早わかり文在寅
朝鮮戦争当時、北朝鮮から着の身着のまま逃げてきた両親の元で生まれた文大統領はとても貧しかった。あまりの貧しさに自分の人生を嘆き不良少年になった時期もあるのだとか。浪人の末4年間授業料免除を約束した慶熙大学法学科に進学。ファーストレディの金正淑夫人は同じ大学の声楽科の2年後輩にあたる。金正淑夫人のインタビューによると、学園祭の日に友達の兄の紹介で一度文大統領に会ったが「女性と初めて会う日、男性はスーツを着てくるものだと思い込んでいたので、変な緑色のジャンパーを着てきた彼が気に入らなかった」ため交際には発展しなかった。それから1年後、朴正煕大統領の独裁に反対する学生運動の先頭に立っていた変な緑色のジャンパーを着た男性が催涙弾に当たって気絶したのを見て水で濡らしたハンカチで顔を拭いてあげた。それが他ならぬ文大統領で、そこから交際が始まったという。
文大統領は学生運動をしたことで実刑、強制徴兵で特殊部隊に服務、除隊後もまた民主化運動を続けて捕まり獄中で司法試験合格の知らせを受ける。学生運動をした人は司法試験の最終面接で落とされる傾向があったが、慶熙大学の学長が身元保証人となり合格できたという話もある。判事を目指したが学生運動の前歴から任用されず弁護士になった。その後は故盧武鉉大統領と一緒に釜山で人権弁護士として活躍し、軍事独裁に立ち向かう民主化運動の先頭に立った。盧武鉉大統領を補佐するため大統領官邸で務めていた頃、あまりの激務に歯が10本も抜けてしまったというすごいストーリーの持ち主でもある。韓国では高所得の弁護士になったにも関わらず、お金にならない仕事や人助けばかりする夫を支えた金正淑夫人に対する人気も高まっている。
文大統領の当選が確定した投票日の夜、同じ共に民主党のアン・ヒジョン忠清南道知事が駆けつけ、「文大統領は大韓民国が誇る大統領になるでしょう」と語り支持者の前で文大統領の頬にチューする場面もあった。アン知事は文大統領と党内の大統領公認候補者選びで争った人物である。ロイター通信、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナルなど米国のメディアはこぞってこの頬チュー写真を掲載した。文大統領は朴前大統領と全く違うタイプの人であることを象徴するような写真だった。アン知事のTwitterには、「翌朝自分がしたことを思い出して布団をけっているのではないか」といった質問が殺到、アン知事は冷や汗をかく絵文字と一緒に「それでもハッピーで楽しい朝です」と書き残した。
文大統領の人気は雑誌の売り上げにも貢献した。5月12日付ヘラルド経済新聞によると、文大統領を表紙にした米国TIME誌アジア版は6万7000部売れたという。今までは1号当たり平均2000部売れていたというからいつもの33倍以上売れたことになる。文大統領が表紙のTIME誌はオンライン書店では予約が殺到、入荷しては完売の繰り返しだった。TIME誌は投票日前の5月5日当選を予言するかのように文大統領を表紙にし、The Negotiatorのタイトルを付け、金正恩を相手にする韓国のリーダーを目指す人だと紹介した。
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