コラム

未来のヘアサロンを先取り! 「魔法の鏡」は有機ELのミラーディスプレイ

2016年09月01日(木)06時20分



イガジャ美容室のミラーディスプレイを伝えるニュース

 イガジャ美容室では、ミラーディスプレイを使ってヘアサロンのメニューと料金を紹介できるのもいいところだと説明した。韓国の場合、入り口に料金をはっきり公開するヘアサロンは少ない。高級なヘアサロンほどカットいくら、パーマいくら、という料金はなく、どのブランドの薬剤を使うか、どのスタイリストに任せるか、など細かい条件に応じて料金が決まる。そのため、美容師の立場からも、ミラーディスプレイを使ってサービスごとに詳しく解説できるので楽だという。また、新しい技術を紹介したり、海外で流行っているスタイリングを紹介する時も、雑誌より映像を見せれば顧客が一目で分かってくれるので、接客も楽になったという。

 ミラーディスプレイは画像だけでなく映像も表示できるので、髪をカットしながら、髪を染めながら、ディスプレイから好きなジャンルの映像を楽しめる。施術の間、美容師さんと話すのが苦手で、どこに視線を向ければいいかも悩んでしまう──、という人にはありがたい。視力が悪くて眼鏡を外すと文字を読むのが大変な人でも、大画面ディスプレイから流れる映像なら十分暇つぶしになる。ミラーディスプレイから利用できる映像はまだ少ないが、ミラーディスプレイを製造・販売しているサムスン電子は販売を伸ばすため、今後はドラマ、映画、スポーツ中継など幅広いコンテンツをクラウド経由で提供する計画だという。もちろん、テレビにつないでテレビの画面をミラーディスプレイから楽しむこともできる。

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

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