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SNSとビッグデータから生まれたソウル市「深夜バス」
■「ソーシャル特別市」を目指すソウル市のSNS活用
ソウル市は今年7月、「ソウル市ソーシャルメディア白書」を発行した。SNSを介して行われた、市民と市のコミュニケーションの記録である。
2008年のブログ開設から始まったソウル市のソーシャルメディアは、2009年Twitter、2010年Facebook、2013年KakaoStory(無料メッセンジャーKakao Talkユーザーが使うミニブログ)、2014年Instagramに公式IDを作り、市民とやりとりしている。白書によると、2012年11月から2014年12月まで、ソウル市の公式ID宛に寄せられた市民のメッセージは2万8289件、ソウル市のフォロワーはSNSすべて合わせて約39万人だった。
通常、SNSではTwitterやFacebookで同じ情報を発信することが多いが、ソウル市はSNSを使い分けている。災害関連緊急メッセージはTwitter、より詳細に伝えたいことがある時はFacebook、ソウル市の各種イベントの写真はInstagram、といった具合だ。市民はソウル市のSNSからイベント情報、地域情報、旅行情報を得るため、また市内で経験した不便な点を直してもらう苦情受付窓口として使うためフォローしている。
ソウル市は白書を通じて、「SNSの中に人がいる。市民のことを知るため、市民の多様な意見を政策に反映するため、SNSを活用している。ソーシャルメディア白書は、市民とのコミュニケーションに悩んでいる行政担当者にとって良き資料になるだろう」と明かした。
日本でも行政機関がTwitterやFacebookなどSNSを使って情報を発信することが流行っている。しかしなかには1年以上も更新がストップしていたり、一方的な告知や宣伝ばかりで市民の意見を汲み取るコミュニケーションになっていなかったりと、上手く活用している事例はそれほど多くない。SNSのIDはひと通り作ったものの、つぶやきを行政にどう反映したらいいのかさっぱりわからないという自治体の担当者にとって、ソウル市は良い事例研究の対象になるのではないだろうか。
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