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仕事の生産性を上げる「誤解戦略」
何でも誤解する「誤解の達人」には、説明してもよけいに誤解されて「無限ループ」にはまるだけのことも AH86-iStock.
<自分のことが誤解されていると、何かと仕事の妨げになる。かといってすべては対処できないので、大切で代替の効かない相手と誤解されても放置していい相手を見極めよう>
一所懸命仕事をしているのに、なぜか他人に誤解されることがあります。良い誤解ならいいですが、悪い誤解だと、とても残念な気持ちになります。
しかし、他人から誤解されることを100%避けることはできません。変な誤解をされないよう、日ごろから意識することしかできないのです。
妙な誤解をされると、誤解を解くのに時間も労力もかかります。仕事の生産性が落ちるのです。
今回は、誤解について理解を深め、仕事の生産性を上げる「誤解戦略」について考えていきます。
誤解する人と、誤解される人
何らかの誤解により問題が発生する場合、登場人物は「誤解する人」と「誤解される人」の2種類に分けられます。そして、これら登場人物のうち、どちらに問題があるかを考えていきましょう。
もし日ごろの自分の言動が正しければ「誤解する人」のほうに問題があります。
以下の会話文を読んでみてください。
専務:「こんなヒドイ企画書、誰が作ったんだ。どうせAが作ったんだろう」
部長:「いや、Aに限って、こんな企画書は作りませんよ」
課長:「私もそう思います。Aは仕事が丁寧ですからね。専務、もう少し、社員のことをしっかり見てくださいよ」
この場合の専務のようにすぐ「誤解する人」は、認知能力が落ちているため「選択的認知」「認知バイアス」がかかりやすいのでしょう。認知能力に問題のない部長や課長がわかってくれているのは、Aさんの行いがよいからです。
反対に、もしも日ごろの行いが悪ければ、次の会話のようになります。
専務:「こんなヒドイ企画書、誰が作ったんだ。どうせAが作ったんだろう」
部長:「うーん、Aかもしれませんね。いつも仕事がいい加減ですから」
課長:「私もそう思います。Aは仕事が雑ですからね。専務、社員のことをよく見てますね」
全員に誤解されるとこうなりかねません。仕事を効率的に進めるにはまず、「誤解される人」にならないように、信頼関係を構築することが大事です。
誤解されてもいいケース
先述したとおり、誤解を100%避けることはできません。とはいえ、誤解されるたびに、そのことを解消しようと躍起になっていると生産性が悪化します。
ですから「誤解戦略」です。
まずは次の3つの基準で、「誤解する人」を分類します。
・距離感
・接触頻度
・重要度
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