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地球内核の回転スピードが落ちている? 自転とうるう秒の謎にも関連
地球最奥部にある内核は、地球の自転とは異なるスピードや方向で回転することも可能(写真はイメージです) AlexLMX-iStock
<北京大の研究チームは「過去10年間で地球内核の回転が止まり、逆回転している可能性がある」と指摘した。自転とは異なる内核の回転は、1日の長さを調整する「うるう秒」が起きる原因とも考えられている>
地球内部は、ゆで卵のような構造をしています。
私たちは卵の殻にあたる「地殻(プレート)」の上で生活しています。半径約6400キロの地球で、地殻はわずか5~70キロです。薄い地殻の下にあるのが、白身にあたる「マントル」で、地下2900キロまでを高温で柔らかい岩石が占めています。マントルに包まれているのが黄身にあたる半径約3500キロの「核」で、液体の外核と固体の内核に分けることができます。
地球の最奥部の内核は、熱い液体に浮かぶ鉄球のような構造をしているので、地球の自転とは異なるスピードや方向で回転することも可能です。
北京大の研究チームは、地震波の測定から「過去10年間で内核の回転が止まり、さらに逆回転している可能性がある」と指摘しました。研究成果は、1月23日付の「Nature Geoscience」に掲載されました。
1日の長さの調整方法である「うるう秒」が起きる原因にも、内核の「自転とは異なる回転」が関わっていると考えられています。「地球の中心と時間の謎」を紹介しましょう。
「午前8時59分60秒」の意味
地球は、太陽の周囲を365日で公転し、北極点と南極点を結ぶ地軸を回転軸として24時間で自転しています。
もっとも、地球の公転周期は、正確には365.2422日(365日5時間48分46秒)です。そのため、4年に1度のうるう年を設けて、2月に1日、「うるう日(2月29日)」を足しています。さらに細かいずれを是正するために、「うるう年は100で割れる年には導入しないが、400で割れる年には導入する」というルールもあります。
「うるう日」と似た名前のものに、「うるう秒」があります。1972年の第1回から2017年の第27回までは、1月1日か7月1日の午前9時(日本時間)の前に午前8時59分60秒を特別に設けて、1秒足して実施しました。
うるう秒は、1年の日数を調整して公転周期を補正するうるう日とは異なり、1日の長さを調整して自転周期を補正するものです。
紀元前2世紀、ギリシアの天文学者ヒッパルコスは、「1日の昼と夜を平等に24分割する」ことを最初に唱えました。後に、その60分の1が1分、さらに60分の1が1秒となりました。
けれど、300年に1秒の誤差しか生じない高精度の「セシウム133原子時計」が1955年にイギリスの国立物理学研究所 (NPL) で開発、実用化されると、実は地球の回転速度にはムラがあり、1日の長さは一定ではないことが分かってきました。
そこで、「地球が1回転するのにかかる時間(1日)」について、原子時計を基準とする高精度な測定時間(協定世界時、略号:UTC)と、天体観測による従来の24時間(世界時、略号:UT1)の差が、0.9秒を上回ったり下回ったりした際に、協定世界時にプラスマイナス1秒して補正することにしました。これまでの27回のうるう秒では、すべて1秒足す補正を行っています。
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