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「自己肯定感」の低い日本の若者を、どうやる気にさせるのか? 「自己効力感」に着目せよ
このように論理的に言えば反論しづらい。よほどひねくれていない限り、「たしかに失敗は相変わらず多いが、でも成功体験も増えている気がする」と思いなおすだろう。
「自己肯定感」と「自己効力感」の組合せ4パターン
「自己肯定感」と「自己効力感」は、もともとの性格によって左右されることも多い。現場で支援をさせていただいていると、「自己肯定感」が低くても結果を出す人、ガンガン出世する人もいる。
この2つの概念は4つの組合せがあり、その4パターンを知ることで、その人の性向を知る手掛かりになる。ぜひ確認してほしい。
以下に4パターンを記し、言いがちなセリフも付記した。
1)自己肯定感【×】& 自己効力感【×】
「自分は営業のセンスがない、だから新しくお客様を任されてもどうせうまくいかない」
2)自己肯定感【×】& 自己効力感【○】
「自分は営業のセンスがないのに、いつもなぜかうまくいく。今期の目標は昨年よりさらに高くなったが、なんだかんだいって達成するだろう」
3)自己肯定感【○】& 自己効力感【×】
「自分は能力がある。営業のセンスもある。にもかかわらず、何をやってもうまくいかない。自分はいつも不運だ」
4)自己肯定感【○】& 自己効力感【○】
「自分は営業のセンスが高い。だから今期の高い目標も、達成できるに違いない」
どうだろうか。4パターンの違いを、何となく理解してもらえただろうか。
ベストはもちろん自己肯定感も自己効力感も高いことだ。自分の力を肯定しているからこそ、新しい目標も達成できるだろう、新しいことをチャレンジしても、自分ならできるに違いないと受け止める。
健全な考え方だ。しかし、こういった若者は滅多にいない。
自己肯定感が低く、自己効力感が低い若者は、ある一定数いる。こういう若者は、なかなか這い上がれないだろう。
自己肯定感が高いのに、自己効力感が低い若者は「他責」にしがちだ。こういう若者も少なくない。
見逃してはならないのが、自己肯定感が低く、自己効力感が高い若者だ。意外に多いので、上司は注意が必要だ。
Aさんの例
私の支援先で、Aさんという若手の営業がそうだった。Aさんは、どんなに結果を出しても、
「たまたまお客様に恵まれただけです」
と主張する。どうやら本気で思い込んでいるようだ。社長に、「3期連続目標達成しているが、その秘訣は?」と尋ねられても、
「先輩が支援してくれたおかげです。私はほとんど何もしていません」
と言ってしまう。自己肯定感が低いので、たとえ結果が出ても自分ではない、他の何かのおかげ(たとえば、商品のおかげ、上司のおかげ、環境のおかげ)などと捉える。「他勲(たくん)」のクセがあるのだ。
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