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【学術会議問題】海外の名門科学アカデミーはなぜ名門といえるのか
もう一つの古層が、GHQ主導の1951年のサンフランシスコ平和条約の古層だ。その頃、日本学術会議は設置された。戦前では日本学士院が、日本におけるアカデミーの役割を担っていたが、GHQが戦争遂行体制の一翼を担った帝国学士院を廃し、新しい組織を作ろうとしてできたのが、日本学術会議だ。
(奇しくも、同じ時期にGHQ主導でできたのが、政治家の汚職を独自に捜査する東京地検特捜部だ。安倍・菅政権は、時の政権から独立性が強く批判的な「歴史の古層」を持つ組織(日銀、中央官庁、検察、学術会議等)への人事的関与を徹底的に強めようと尽力してきた。そして、その恣意的な人事権の行使が、度々国民の反発を買い政権の支持を低下させている。)
先の報道番組において松宮教授の反論発言が印象深い。
「日本に欧米のようなアカデミーが無くても良いのですか」
松宮教授の発言は、
①戦前の戦争遂行体制に科学者が組み込まれた反省から「学問の自由」が確保された政府から「独立した」存在であることが必要(1951年の古層)
としつつ
②国を代表する学術機関として自分達は政府組織として存続すべき。(1940年の古層)
とダブルスタンダードの主張をしている。
ここに多くの国民は矛盾を感じている。
何故、100%国の行政機関であり自分達が非常勤の特別職公務員である必要があるのか。それに対する明確な答えはない。おそらく、民間からお金を集めるとか、ファンドの運営とか言われても全く想像がつかないのだと思う。また、民間団体としてより独立的な立場で自由にと言われても、一度独立したら最後、国からの補助も徐々になくなり存続の危機に陥る事を恐れているのだと思う。
独立性の担保は憲法23条で保証されているので当然だが財源は国に頼りたい。政府の諮問機関としての答申は義務ではないので政府から諮問がなければ回答せず、年に1度の提言に留める。
これでは、国民の支持は得られない。
自民党PTとしては、2023年までに政府から独立した機関とするように政府に要望するようだ。
日本学術会議、23年までに政府から独立を 自民PT、政府に提言へ
但し、議論の発端の「任命権」には触れず、軍事目的のための科学研究を行わない現行方針を維持するのか、研究成果を軍民両面で利用する「デュアルユース」を推進させるのかについても触れない様子だ。また、10億円しかない財源についても、どうするのか、等、政府機関からは切り離す方針以外、まだまだ決まってないことが多い。
学術会議、菅総理、双方痛み分けで、新しい科学と政治のあるべき関係を模索してほしい。
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