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バイデン政権初の対面首脳会談、菅総理は訪米前に既に勝利を手にしている
サプライチェーン見直しに便乗して米国市場を獲得
また、バイデン政権が進める「サプライチェーン見直し」は日本にとっては経済面・安全保障面のメリットが極めて大きい政策だ。
2021年2月24日大統領令14017「Executive Order on America's Supply Chains」で、バイデン大統領は米国の将来を左右するサプライチェーンの見直しを発令し、100日以内に「半導体」「医薬品」「レアアース」「電気自動車用バッテリー」の4つの重要品目の見直し計画、1年以内に国防、医療・バイオ、ICT・データ、エネルギー、運輸(インフラ)、農産物・食品のセクター別のサプライチェーンの見直し計画を作成することを宣言した。
この見直しは米国の重要産業の脱中国依存を意味することは明らかだが、この計画を実現するには日本も含めた同盟国の手助け無しでは実現不可能だろう。既にレアアースの分野などで日米豪の協力などが一部スタートしている事例もあり、日本側が米側の琴線に触れる提案をしていけば、その提案が採用される可能性は大いにある。
経済成長を順調に継続する米国に対し、日本からの商品・サービスの供給量を従来以上に供給し、サプライチェーン見直しに便乗して米国市場を獲得することは、新型コロナウイルス危機からの日本経済が中長期的に回復するための土台となるだろう。
日米首脳のトップの会談は、上記のような経済問題ばかりを話す場所ではなく、世界の在り方に関するビジョンなどを語る場であることは筆者も十分に承知している。しかし、現状までの菅政権の着実かつ手堅い交渉戦略に鑑み、菅総理の訪米に更に大きな期待を寄せることは間違っていないだろう。
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