日本は教育への政府支出が先進国最低レベル...岸田政権がこの惨状を変える可能性
教育費の公的負担率(大学生)も、OECD平均66%のところ日本は32.6%。政府支出に占める公的教育費割合(大学生)はOECD平均2.8%のところ日本1.6%というありさまで、日本は国としては全然教育にお金を使っていない、ということになる。これでは経済や影響力の停滞も致し方ない。
岸田政権は2024年秋から「出世払い」型の奨学金制度をスタートさせるし、先日も多子世帯の大学無償化を打ち出した。何かと批判を集める岸田政権だが、待ったなしの少子化対策を考えるとある程度は有益な策だと思う。日本での子育ては塾や習い事にもとてもお金がかかるから、学費が無償化されればもっと子どもを持ちたいと考える人も増えるだろう。
だが同時に、高等教育や研究機関へのさらなる支出も考えてほしいところだ。限りある財源なのだから、学ぶ意欲のある若者をより厚く支援し、未来を見据えた研究に助成し、これからもノーベル賞を受賞できる日本であってほしい。
国民も教育への資金投入をもっと容認すべきだと思う。公平性をゆがめない範囲で、私立学校への支援も増やすべきだろう。それは長い目で見れば、日本を再び繁栄させ、皆の利益になるのだから。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
Twitter:@IshinoShahran
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら