コラム

あだ名の禁止で、相手が尊重される?──学校の都合に振り回される子供たち

2022年07月14日(木)16時10分
西村カリン

私は記者として彼にインタビューをするため楽天広報部に連絡したところ、「ミッキーに確認します」という返事が来てびっくりした。

もちろん、全員が自分で良いと思うあだ名が選ばれている。では、楽天はなぜそういう制度にしたのか。あだ名を禁止する学校とは真逆で、あだ名だとコミュニケーションしやすい環境をつくることができるという考え方だ。

読売新聞の記事によると、一部の学校では「くん」か「ちゃん」ではなく「さん付け」を求める傾向もある。「相手を大切にする呼び方だから」という理由で、友達に対しても「さん付け」する。

この件もやはり、単純な判断に思える。子供なら「くん」か「ちゃん」が一般的で、同級生の間で失礼な呼び方ではないだろう。さん付けだけでは相手を尊重することの証拠にはならないので、もっと説得力のある説明が必要ではないか。

人生とは時と場所、相手によって最も適切な態度を取ったり、最も適切な言葉を使ったりすることを繰り返し歩むものだ。それは非常に難しいことで、子供の頃から学ばなければならない。

理想的な校則は、「0」か「1」か、または「良い」か「悪い」かといった単純で、学校側が一方的に決定した規定ではなく、社会の現実を踏まえ、子供も交えて議論し理解されたものであるべきだ。

magTokyoEye_Nishimura.jpg西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。Twitter:@karyn_nishi

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