消費者も店側も実施していることを知らない「還元サービス」の不思議
特設ページに戻り、あの手この手で検索をかけたら、ついにあった! 持ち帰り弁当が半額という店や、710円のお好み焼きが500円になる店、900円ののり巻きが500円になる店......。時間をかけて探せば、「消費者還元サービス」をはっきり明記している店がいくつかある。
結論。テイクアウトとデリバリーの利用促進を補助金で支援する試みは見事なものだ。しかし、実施にはちょっとした問題がある。どの店が参加しているのか、どういう「還元サービス」があるのかが消費者に分かりづらい。これは、「物事をシンプルにしておけ」という「KISSの原則」、すなわち"Keep It Short and Simple."(伝えたいことは、短く、シンプルに)の原理を応用すれば改善できるだろう。
つまり、特設サイトに「消費者還元サービス」という入力フィールドを設け、参加したい飲食店が自分たちの割引・特典をそこに記入する。そうすれば、消費者はすぐに参加店舗と還元サービスの内容が分かるし、特設ページが「単なる店の紹介」だという店側の勘違いも解消される。
このユニークなプロジェクトは第2弾に突入した。いいアイデアを生み出し、タイムリーに実行している文京区にエールを送りたい。
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
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