イランと日本の意外な共通点──隣国との協力があってこそ今後も発展が続く
一方、サウジアラビアはイラン革命後に中東一の親米国家となって力を付け、着々と周辺国への影響力を増した。聖地メッカを有するイスラム教スンニ派の総本山なのだから影響力があって当然なのだが、それに加えて、莫大なオイルマネーを背景に投資国として成功した。リーマン・ショックの際にアメリカの大手銀行株を買い支えたのはサウジアラビア王室だし、国営石油会社のサウジアラムコが昨年上場して、世界最大の時価総額の上場会社となった。
かつて経済的に優位に立っていたイランが両国に抜かれてしまった状況は、とても日本に近い。隣国だからこそ素直に喜べず、愛憎が入り交じる。しかし、私はイランとこの隣人の2国が協力することで、今後も発展が続くと考えている。
日本も日韓、日中の関係だけではなく、日中韓3国で捉えることが肝要。椅子は三脚あってこそ安定するのだ。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン生まれ。2002年に留学のため来日。日本人女性と結婚し、2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。シャハランコンサルティング代表。@IshinoShahran
<本誌2020年3月31日号掲載>
2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。
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