【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラーベ)のルールから2つの派閥、「ダークホース」まで
Who Will Be the New Pope?
新しい教皇が決まるまでの間、バチカンの実務を仕切るのはカメルレンゴ(秘書長)の地位にあるケビン・ジョセフ・ファレル枢機卿だ。
まずは遺体にエンバーミング(衛生保全処置)を施し、3日間はサンピエトロ大聖堂に公開安置する。それからひつぎを閉じ、サンピエトロ大聖堂(天候が許せば大聖堂の前にある広場)で葬儀を執り行う。
葬儀は首席枢機卿が司式する。現職のジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿は1960年代からバチカンの公職にあって複数の教皇の死に立ち会っているから、葬儀の手続きには最も通じている。
20世紀に入ってから、歴代の教皇はサンピエトロ大聖堂の地下にある墓所に埋葬されてきた。だがフランシスコは23年に、自らの意思でローマ市内のサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に埋葬するよう定めた。聖母マリアを「深く崇敬」すればこそだ。
「聖霊の導き」により
公式の服喪期間は9日間だが、後継者選びは教皇が死去した瞬間から始まる。イタリアには「一人の教皇が死ねば代わりの者が立つ(代役はいくらでもいる)」ということわざがあるくらいで、「イエス・キリストの代理人」を務める候補はいくらでもいる。
新しい教皇を選ぶ手続きは、映画の題名どおりコンクラーベ(教皇選挙)と呼ばれる。通常は葬儀後2週間ほどで実施されるが、参加できるのは80歳未満の枢機卿(カトリック教会の最上位聖職者)のみ。
現時点で世界に252人いる枢機卿のうち135人だけが投票権を持つ(ちなみにカトリック教会には40万人以上の聖職者がいる)。