「サブスタック」の成長が止まらない...アメリカ発・定期購読型メルマガの正体
Jounalism: Unplugged
心地いいコミュニティー
もっとも、サブスタックで発信する人々が手にしているのは「成長」だけではない。
確かに、人気が高いジャーナリストは、以前より多くの報酬を得ているかもしれない(バレンタインによれば、購読料から手数料として10%を差し引いた金額が、配信者の収益になる)。注目も拡大する(サブスタックには「おすすめ」機能があり、昨年は新規購読者の半数超、有料購読者の30%以上を誘導した)。
だが何より、ここではコミュニティーを見つけることができる。「読者がつくる本物のコミュニティーがある」と、ラストは言う。「私たちが開催するイベントには500~600人が参加してくれるが、彼らはむしろ、サブスタックで知り合った仲間と交流するためにやって来る」
TikTokとインスタの違いのようなものだろう。TikTokは多くのユーザーにとって安心できる場で、支えや励ましになるコメントを期待できる。一方、インスタで同じ投稿をすれば、皮肉や批判にさらされがちだ。
「私たちはコミュニティーを適切な形に保とうとし、それなりの態度で他者に接することを求めている。そうした在り方こそが読者に愛されている」と、ラストは語る。
バレンタインに言わせれば、サブスタックには「握手をして、感謝しようという雰囲気がある」。アコスタは配信開始以来、どの記事も無料で読めるようにしているが、コメント欄は「ありがとう」という言葉でいっぱいだ。