中国との戦争は避けられるか――米国が描く対中抑止と経済デカップリング戦略
Why Trump's War With China is Much Bigger Than Trade

習近平とトランプの表紙を並べた中国のニューススタンド(2017年、北京) REUTERS/Aly Song
<現在表面化している両国の貿易戦争の根は深く、最終的には戦争で解決するしかない可能性がある>
「アメリカが世界最大の専制国家と政治的に戦わないのであれば、必然的に経済的に、そして最終的には軍事的に戦わなければならなくなるだろう」と、中国の反体制活動家の魏京生(ウエイ・チンション)は2000年に米議会で語った。
ドナルド・トランプ大統領と習近平(シー・チンピン)国家主席による米中貿易戦争という現象は、対立する大国間による世界支配をめぐる大きな争いと、両国が現在、集中的に準備を進めている軍事衝突が起きるというきわめて現実的な可能性を浮き彫りにしている。
「中国とアメリカの対立は単なる貿易戦争ではない。それは21世紀をめぐる戦いだ」と書いたのは、中国通で第一次トランプ政権で要職に就いていたマット・ポッティンジャーとライザ・トビン。「習とトランプは今、世界の覇権をめぐってゼロサム紛争に臨んでいる」と、彼らはネットメディアのフリープレスで主張した。
反体制活動家の魏の発言は、2001年の中国の世界貿易機関(WTO)加盟を前に、米議会公聴会で行われたものだ。WTO加盟は、中国が最大の製造業大国へと成長し、アメリカの主要な戦略的ライバルの地位を獲得する助けとなった。