「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
Map Shows China-Owned Mine Where Acid Spill Caused 'Catastrophic' Pollution
「一夜にして、この川は死んでしまった」
ザンビアの人口は約2000万人。その約60%が、全長1600キロほどのカフエ川流域に暮らしており、農業、工業、漁業に利用している。ザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領は、この事故を「クライシス(危機)」と呼び、野生生物と国民生活の両方が脅かされていると警告した。
この災害により、人口約70万人の都市キトウェでは、水の供給が完全に停止。ザンビア当局は、流出した酸を中和するため、カフエ川に数百トンの石灰を空中投下した。
事故直後に撮影された画像には、鉱山の約100キロ下流で、川岸に打ち上げられた大量の魚が写っている。鉱山の所有者はシノ・メタルズ・リーチ・ザンビアという企業だが、同社の過半数を、中国国営企業である中国有色(非鉄金属)鉱業集団公司(China Nonferrous Metals Industry Group)が所有している。
地元住民のショーン・コーネリアスは、「2月18日以前、この川は活気に満ち、生命にあふれていた」と語る。「今はすべてが死んでいる。まるで、完全に死んだ川のようだ。信じられない。一夜にして、この川は死んでしまった」
ザンビア政府報道官のコーネリアス・ムウィートウは、状況の深刻さを強調し、シノ・メタルズに浄化費用を負担させると述べた。
地元メディアは3月14日、グリーン経済・環境相マイク・ムポシャの発言として、最新の報告では、酸による汚染は抑制されていることが示されており、pHの監視を継続していると伝えている。ムポシャは議会で、シノ・メタルズは、影響を受けたすべての農家と消費者に対する補償を命じられたと強調した。