マスクの「独断専行」にトランプ大統領側近の不満が高まる
対照的な2人
問題になった事案の1つはマスク氏の側近らが政府職員に送った一連の電子メールで、その中には1月28日付の政府職員200万人に対する早期退職勧告も含まれている。ワイルズ氏とスタッフはこれらのメールの一部を承認していなかったとされる。
確かにトランプ氏の側近の多くは、妥協を排したマスク氏の仕事ぶりを痛快に思っているが、ロイターが取材した限りでは、全員がそうだと言うにはほど遠い。
そもそもワイルズ氏とマスク氏の人物像は好対照と言える。
ワイルズ氏は、2024年大統領選でトランプ氏にこれまでで最も規律を保つ振る舞いをさせたその「手綱さばき」が高く評価されているものの、自分自身は決して表舞台に出ようとしない。トランプ氏に勝利集会でスピーチを振られても固辞し、常に大統領の傍らに寄り添いながらもカメラを向けられると映るのを避けるように移動する場面も見られた。
逆にマスク氏の仕事ぶりは自由奔放で強烈な印象を与えることで知られ、注目を浴びることへの熱意は並大抵ではない。Xに1日何十件も投稿し、ユーザーからの意見や提案を採用するほか、週末まで仕事漬けの姿勢を自慢している。


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