石破・トランプ「蜜月」の裏で浮かび上がった「意識のギャップ」...世論調査で見えた日米関係の今後
Caught in the Shockwave
経済分野では、米世論はもっと好意的だ。日本は公正な貿易相手国で、経済・技術・文化大国と見なされている。アメリカ人の65%は、「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法」による助成や税額控除を、同盟国の日本などの企業に行うことに賛成だ。
だが経済関係こそ、第2次トランプ政権で長期的障害になる可能性が濃厚な分野だ。
ジョー・バイデン前政権はインフラ投資雇用法やインフレ抑制法の枠組みの下、同盟国や友好国でサプライチェーンを構築するフレンド・ショアリングを推進した。日本はその方針に賭けたが、当時からリスクは高かった。
日本製鉄が2023年に発表したUSスチールの買収計画に、バイデンはあからさまな政治的理由で阻止を命じた。同盟国重視の政権でも、大局的な目標より目先の国内感情を優先するという事実を浮き彫りにした出来事だった。
関税は人ごとではない
トランプは政権発足直後、インフラ投資雇用法とインフレ抑制法に基づく支出の凍結を命じる大統領令に署名した。これまで期待できたアメは、今やトランプ流の関税というムチに変わりかねない。
さらに、日米の経済関係の潜在的問題は、2国間関係に伴うものではない。アメリカが3月から、全貿易相手国を対象に適用する鉄鋼・アルミへの追加関税がいい例だ。日本を標的にした措置ではないが、日本と日米関係は影響を受ける(日本政府は2月11日に適用除外を申し入れた)。