最新記事
アメリカ

【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景から削減議論まで、7つの疑問に回答

What Does USAID Spend Money on? List of Potential Cuts

2025年2月12日(水)15時20分
ヘスス・メサ

USAIDの予算の使われ方は?

超党派の議会調査局(Congressional Research Service)が先月発表した報告書によると、2023会計年度における米国の対外援助予算は約400億ドルだった。米国は世界最大の人道支援供給国であるものの、対外援助は連邦予算全体の1%未満にすぎない。2024年時点で、USAIDの予算は総連邦支出のわずか0.3%を占めており、1980年の0.5%から減少している。この割合は過去10年間ほぼ安定している。

USAIDの分野別支出

・168億ドル:ガバナンス(統治支援)
・105億ドル:人道支援
・70億ドル:保健医療
・35億ドル:行政費用
・16億ドル:その他のプログラム
・13億ドル:農業
・11億ドル:教育
・10億ドル:インフラ整備
・7億ドル:経済成長支援

地域別の資金配分

USAIDの資金の大部分は、ウクライナの戦争支援と復興支援を中心としたヨーロッパ・ユーラシア地域に向けられた。

・172億ドル:ヨーロッパ・ユーラシア(主にウクライナ)
・121億ドル:サハラ以南アフリカ
・55億ドル:複数地域にまたがる支援
・39億ドル:中東・北アフリカ
・19億ドル:南アジア・中央アジア
・18億ドル:西半球(ラテンアメリカなど)
・11億ドル:東アジア・オセアニア

USAIDの主要な援助対象国

USAIDは2023会計年度に約130カ国へ支援を提供した。その中で最も多くの援助を受けた上位10カ国は以下の通り。

・ウクライナ
・エチオピア
・ヨルダン
・コンゴ民主共和国
・ソマリア
・イエメン
・アフガニスタン
・ナイジェリア
・南スーダン
・シリア

世界銀行が指定する低所得・低中所得国77カ国のうち70カ国が2023年度の支援を受けており、USAIDの貧困削減への重点が反映されている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政

ビジネス

NY外為市場=ユーロ上昇、ドイツ財政拡張の可能性高

ワールド

カナダ新首相就任、「米と協力」 早期議会解散との見

ワールド

米国務長官「慎重ながら楽観的」、ウクライナ戦争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の「トリウム」埋蔵量が最も多い国は?
  • 4
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 5
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 6
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 7
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 9
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 10
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中