最新記事
プロジェクト2025

異例の好条件で連邦政府職員に早期退職を迫るトランプの真意

Federal Workers Urged To Reject Trump Buyout

2025年1月30日(木)17時29分
ヒュー・キャメロン
トランプ

2度目の大統領に就任して本性を表し始めたトランプ(1月23日、ホワイトハウス) REUTERS/Kevin Lamarque

<政府職員の大幅削減と連邦政府の解体は、熱烈なトランプ支持者たちが大統領選前から温めてきた大陰謀論。トランプは自分は関与していないと嘯いていたが、大統領就任と同時に計画を実行に移し始めた>

トランプ政権は連邦政府職員に異例の好条件を提示して早期退職に応じるよう呼びかけたが、提示された条件は「空約束」にすぎないと、民主党議員は警告している。

米労働統計局のデータによれば、連邦政府の職員(軍の人員を除く)は3万人前後。連邦政府のスリム化は、ドナルド・トランプ大統領が就任後に真っ先に取り組むと誓ってきた政策課題の1つだ。トランプが新設し、イーロン・マスクを共同トップに据えた政府効率化省(DOGE)は、政府支出の無駄をなくすため、大幅な人員削減に踏み切ろうとしている。

トランプはDOGEに、行政管理予算局(OMB)及び連邦人事管理局(OPM)と協力して、4月20日までに「効率性の改善と人員削減を通じて、連邦政府の規模を縮小する」計画をまとめるよう命じた。

これに先立ち、就任初日の1月20日に連邦政府職員の新規雇用を凍結する方針を打ち出し、連邦レベルの全ての政府機関にリモートワークの禁止を指示した。

新政権発足早々の相次ぐ改変に動揺が広がるなか、OPMは1月28日、連邦政府の職員全員に宛てて「分岐点」と題したメールを送信。職場の環境・文化が大きく変わろうとしている今、どうするかはあなた方の決断しだいだと伝え、早期退職に応じるなら「尊厳のある公正な門出」が保証されると約束した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏当局、ディープシークに質問へ プライバシー保護巡

ビジネス

ECB総裁、チェコ中銀の「外貨準備にビットコイン」

ビジネス

米マスターカード、第4四半期利益が予想上回る 年末

ワールド

米首都近郊の旅客機と軍ヘリの空中衝突、空域運用の課
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 4
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 5
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中