最新記事
新型コロナ

新型コロナ、研究所から流出した可能性高い...米中央情報局(CIA)

2025年1月28日(火)09時43分
新型コロナ感染症流行中の北京(2022年)

1月25日、 米中央情報局(CIA)の報道担当者は25日、中国で起きて世界に広がった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)について、CIAは自然界での発生よりも、研究所から流出した可能性の方が高いと評価していることを明らかにした。写真は新型コロナ感染症流行中の北京で2022年11月撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)

米中央情報局(CIA)の報道担当者は25日、中国で起きて世界に広がった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)について、CIAは自然界での発生よりも、研究所から流出した可能性の方が高いと評価していることを明らかにした。

駐米の中国大使館の報道担当者はロイターに出した声明で、CIAの結論は「誤解を招く」とし、「実在する証拠」に基づくものではないと批判して、「ウイルスの発生源は複雑な科学的問題であり、科学者や専門家は政治家に判断されるのではなく、厳密で綿密な科学的研究を通じて答えを見つけ出すべきだ」と主張した。


 

中国の武漢ウイルス研究所からの流出が新型コロナのパンデミックを引き起こした可能性が高いとの見方が出ていることに対し、中国側はこれまで信ぴょう性がないと反論してきた。

CIAは数年間にわたり、新型コロナの起源についての結論を出せないと説明してきた。しかし、ウィリアム・バーンズ前長官がバイデン前政権末期の数週間にCIAのアナリストと科学者らにパンデミックが起きたことの歴史的重要性を強調し、明確な判断を下すよう求めたという。

CIAは「新型コロナのパンデミックの起源は研究に関連している可能性の方が高い」という評価について「確信度は低い」としており、依然として研究室起源と自然起源の両方のシナリオがもっともらしいとの声明を出した。

CIAが新型コロナの起源に関する新たな情報をどの程度収集したかや、新たな証拠が最新の評価を策定するのに用いられたかどうかは分かっていない。

CIA長官に就いたジョン・ラトクリフ氏は今月24日に議会上院で人事が承認された後、米保守系ニュースサイト「ブライトバート」のインタビューで、自身が最初に取り組む優先事項の一つは新型コロナのパンデミックの起源を公に評価することだと言及。その上で「私は、私たちの情報、科学、そして常識のすべてが新型コロナの起源が武漢ウイルス研究所からの流出を示していると確信している」と語った。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250204issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月4日号(1月28日発売)は「トランプ革命」特集。大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で、世界はこう変わる


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

4000─5000億ポンドの準備金維持を、銀行新規

ワールド

EU、ロシア産アルミ禁輸など提案 制裁第16弾=文

ワールド

米大統領特使、イスラエル首相と会談 ガザで停戦視察

ワールド

オープンAIアルトマン氏、来週インド訪問 高官と面
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    女性が愛おしげになでていたのは「白い犬」ではなく.…
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    AI相場に突風、中国「ディープシーク」の実力は?...…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 6
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中