最新記事
ロシア

ロシアの学校は「軍事訓練場」に...戦争長期化で進む「子供の兵士化」教育、授業風景の映像

Russian Schools Training Children To Shoot Guns

2025年1月26日(日)13時15分
マヤ・メーララ

子供の訓練キャンプ参加を拒んだ親には罰金

アゲンツトヴァの分析では、2025年度にロシアの学校がプロパガンダ教育に費やす時間は前年度の2倍に増え、年間の授業時間1万1000時間のうちの1300時間に達する見込みだ。ウクライナとの戦闘開始以降、ロシアの教育機関におけるプロパガンダ教育は変化しており、中でも最も大きな変化がみられるのが防衛についての教育だ。

軍事訓練は2023年、高学年向けの必須科目「生命の安全」の一環として導入された。その後これが「祖国の安全保障と防衛の基礎」と名前を変え、「軍事訓練および軍事知識の基礎」などの授業が設けられた。この授業では生徒が軍隊や武器、軍の装備などについて学ぶ。

ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」によれば、14~17歳ぐらいの子どもを訓練キャンプに参加させるプログラムでは、親がそれを拒否した場合、軍の「評判を傷つけた」罪で罰金を科されることになる。

ロシアの学校におけるプロパガンダ教育は軍事訓練にとどまらない。アゲンツトヴァによれば、2025年度の授業時間のうち12%がロシア政府の思想を教えるために費やされることが分かった。

プロパガンダの授業は、ウクライナとの戦争が始まった後、「伝統的なロシアの価値観」を強化し「愛国心を育む」ことを目的として教育カリキュラムに導入された。それが進化して、子どもを対象とした軍事訓練が行われるようになったものだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中