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寡頭政治

【トランプ2.0】「少数の金持ちによる少数の金持ちのための政治」の時代がやってきた

How 2024 Saw Boom For Billionaires

2025年1月22日(水)22時40分
ヒュー・キャメロン

オックスファムが引用した最近の世界銀行の報告書によれば、富裕層に追い風が吹く一方で、上位中所得国の貧困ラインである1日あたり6.85ドル未満で暮らしている人々の割合はざっと5割で一定している。全体の人口は増加しているため、絶対数は1990年以来「ほとんど変わっていない」という。

これら貧困層の大半は、経済発展の水準が低く政治的な影響力も弱いとされるグローバルサウス(途上国の大半が位置する南半球)に位置している。この地域では豊かな国々による天然資源の採取や安価な労働力の搾取が横行しており、オックスファムはこれを「現代の植民地主義」と批判する。

また億万長者の富の水準が新しい次元に到達するのに伴って、彼らが政治的な影響力をも増大させていることに警鐘を鳴らす。


 

莫大な富の蓄積は努力や創意工夫の結果であり、それ自体が本質的に悪いものではない、と主張する人々もいる。ビリオネアは、恵まれない立場にいる人々を助ける上で、政府より役立つ場合もあるという。

学者のジェシカ・フラニガンとクリス・フレイマンは2022年に発表したエッセイ「Wealth Without Limits: In Defense of Billionaires(限りない富:ビリオネア擁護論)」の中で、ビリオネアはその莫大な富を慈善活動のために使うことが多いと指摘。彼らの富は増税によって政府の手に渡るよりも、彼ら自身が管理した方がより効果的に使われると主張した。

同様に、アメリカン・エンタープライズ研究所のエコノミスト、マイケル・ストレインは2024年1月、「ビリオネアのイノベーターは、社会に莫大な価値をもたらしている」と書いた。ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・ノードハウスも2004年に著した論文で、技術革新が社会にもたらすリターンの大半は、イノベーションを主導した者より消費者に流れていることを発見したという。

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