尹大統領拘束後に与党の支持率がなぜかアップ...韓国野党が抱える「裁判沙汰」の大問題とは?
Divided Loyalties
昨年12月3日の戒厳令宣布後、尹が憲法に違反したとして、野党陣営は直ちに弾劾手続きに乗り出した。尹の弾劾訴追案が国会で可決されたのは、わずか11日後だ。
尹が生み出した予想外の政治的混乱はアメリカとの同盟関係を弱体化させ、韓国の安全保障を危険にさらす恐れもあった。尹と与党・国民の力の支持率は大幅に低下するとみられたが、地元メディアが報じた最近の世論調査は、興味深い結果を示している。
韓国ギャラップが1月17日に発表した世論調査によると、国民の力の支持率が39%に上昇した。一方、野党・共に民主党の支持率は36%にとどまっている。国民の力の支持率が共に民主党を上回ったのは、昨年8月下旬以来、初めてのことだ。
つまり、尹の弾劾は共に民主党の支持率アップに貢献していない。これは8年前とは大違いだ。2016年12月に当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾(翌年3月に罷免)された際には、野党だった共に民主党の支持率が上昇していた。
支持されない野党代表
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は22年の大統領選で尹と競い合い、得票率わずか0.73ポイント差で敗北している。韓国民主化以降の大統領選で、最も僅差の勝負だった。
尹の罷免が決まった場合、次期大統領の座に最も近いとみられるのは今も李だ。とはいえ、最近の世論調査で明らかなように、李の大統領選勝利は確実とは言えない。