最新記事
環境問題

米NY州、気候変動で化石燃料企業に総額750億ドルの罰金

2024年12月27日(金)09時25分
マンハッタン

米東部ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は12月26日、気候への悪影響を及ぼした損害賠償として化石燃料企業に今後25年間で総額750億ドルの罰金を科す法案に署名して成立した。2019年3月、マンハッタンで撮影(2024年 ロイター/Carlo Allegri)

米東部ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は26日、気候への悪影響を及ぼした損害賠償として化石燃料企業に今後25年間で総額750億ドルの罰金を科す法案に署名して成立した。このような法律を成立させた米国州は、今年夏の東部バーモント州に続いて2番目。

気候変動の法的責任がある石油やガス、石炭企業が対象。同州環境保全局が世界全体の温室効果ガス排出量が10億トンを超えると判断した企業に適用される。


 

被害回復と適応策に充てる費用はこれまで個々の納税者が負担してきたが、成立した法律を通じて今後は一部を化石燃料関連企業にも負担させる。集めた資金は気候変動の影響を緩和するために使い、道路や交通網、上下水道管理、建物、他のインフラの適応策などに充てられる。

この法律は、有毒廃棄物の浄化費用の支払いを汚染業者に義務づけた既存の州および連邦の法律「包括的環境対処・補償・責任法(スーパーファンド法)」をモデルとしている。

法案の共同提出者のニューヨーク州議会上院のリズ・クルーガー議員(民主党)は声明で、ニューヨーク州で異常気象に適応する費用が2050年までに5000億ドル超かかると指摘。大手石油会社は21年1月以降、1兆ドル以上の利益を上げており、化石燃料の採掘と燃焼が気候変動の一因だったことは少なくとも1970年代から認識していたと批判した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも43人死
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 6
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 9
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 10
    トランプに弱腰の民主党で、怒れる若手が仕掛ける現…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中