最新記事
ウクライナ戦争

クリスマスにロシアが電力インフラに大規模攻撃、「非人道的」とゼレンスキー氏

2024年12月26日(木)11時51分
爆撃の火を消すウクライナの消防士

12月25日、 ロシア軍はウクライナの電力インフラや東部の都市を巡航ミサイルや弾道ミサイル、ドローン(無人機)で攻撃。ゼレンスキー大統領はクリスマスの日の「非人道的」攻撃と非難した。写真は同日、ロシアの攻撃を受けたドニエプロペトロフスク州の現場で撮影。ウクライナ当局提供(2024年 ロイター)

ロシア軍は25日朝、ウクライナの電力インフラや東部の都市を巡航ミサイルや弾道ミサイル、ドローン(無人機)で攻撃。ゼレンスキー大統領はクリスマスの日の「非人道的」攻撃と非難した。

当局者によると東部ハリコフでは少なくとも6人が負傷し、ドニエプロペトロフスクで1人死亡した。

ハリコフ州では気温氷点下の中50万人が暖房が止まった状態に置かれ、首都キーウなどで停電が発生している。

ゼレンスキー大統領は「(ロシアの)プーチン大統領はわざとクリスマスを攻撃の日に選んだ。これ以上非人道的なことがあるだろうか」と批判。弾道ミサイルを含む70発以上のミサイル、100機以上の攻撃ドローンが使われたと指摘し「標的は我が国のエネルギーインフラだ」と述べた。

ウクライナ軍は25日、ロシアの巡航ミサイル発射を受け全国に警戒警報を発令。東部、中部、南部、西部でミサイル飛行の情報が報告された。夜間から朝にかけてロシアのミサイル59発とドローン54機を撃墜したという。

ハルシチェンコ・エネルギー相は「(ロシアが)電力部門に大規模な攻撃をしている」とし、電力会社が影響を最小限に抑えるため送電を制限しているとフェイスブックで述べた。

民間最大手のエネルギー会社DTEKは、発電施設が攻撃を受け設備に大きな被害が出ていると明らかにした。「ウクライナのエネルギー部門への大規模攻撃は今年13回目で、当社施設への大規模攻撃は10回目となる」と述べた。同社は11月17日の大規模ミサイル攻撃ではほぼ全土で最長8時間にわたり緊急停電を実施した。

駐ウクライナ米国大使のブリジット・ブリンク氏は、自宅でクリスマスを祝っている人々やエネルギーインフラにロシアが大量のミサイルやドローンで攻撃したと指摘し、「ロシアは冬を武器にしている」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、イラン核施設への限定的攻撃をなお検討=

ワールド

米最高裁、ベネズエラ移民の強制送還に一時停止を命令

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 9
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 10
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中