最新記事
性犯罪

おぞましい仏集団レイプ事件、見ず知らずの男50人に妻を陵辱させた夫の判決は

French Mass Rape Trial: Verdicts Expected This Week

2024年12月19日(木)17時20分
マシュー・インペリ
法廷スケッチ、証言するジゼル・ペリコ

夫と50人の他の加害者を訴えた裁判で、あえて顔を出して証言するジゼル・エリコット(南フランスのアビニョン、11月29日) ZZIIGG via REUTERS

<鎮静剤を盛られ、意識を失っている間にレイプされ続けた妻はあえて実名と顔を出し、長年にわたる夫の異常な犯行を告発>

異様で卑劣極まりない集団レイプ事件で、被害者の夫をはじめ多数の被告人にどんな裁きが下されるか、フランス中が固唾を飲んで見守っている。

ドミニク・ペリコは長年にわたり、日常的に薬を盛って妻のジゼル・ペリコの意識を失わせ、自身がレイプするばかりか、ネットで集めた何十人もの見ず知らずの男たちにレイプさせていた。

おぞましいことに、主犯のペリコがネット上で募集をかけると、共犯者は簡単に集まった。多くはまともな仕事に就き、大半は妻子持ちで、年齢層は20代から70代まで。フランス社会の上から下までさまざまな階層に属している。

ペリコも含め、全部で50人の男たちが普通のレイプより刑が思い加重レイプとレイプ未遂の罪に問われ、別の1人は加重性的暴行の罪に問われている。

法廷ではペリコが犯行の模様を撮影した動画の一部も流され、フランス中を震撼させた。

3カ月に及んだ審理では、罪状、証拠、被告人と弁護団の背景などが詳細にわたって検証され、その間にペリコ元夫妻はいずれも72歳の誕生日を迎えた。

被害者を薬物で無抵抗にさせるなど、卑劣な手段による性暴力事件は後を絶たないが、「隙を見せた」などとして被害者を責め、加害者を容認するような「レイプ文化」はフランスでもまかりとおっている。

SDGs
「ステハジ」が描く脱プラ未来...マイボトルでギネス記録、給水が新たな選択肢に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ空爆で26人死亡、停戦合意へ調停続く

ビジネス

英中銀、金利4.75%に据え置き 3委員は利下げを

ビジネス

ノルウェー中銀金利据え置き、来年3回の利下げ想定 

ワールド

プーチン大統領阻止へ米欧は結束を、ウクライナ大統領
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 2
    遠距離から超速で標的に到達、ウクライナの新型「ヘルミサイル」ドローンの量産加速
  • 3
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「TOS-1」をウクライナ軍が破壊する劇的瞬間をカメラが捉えた
  • 4
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 5
    「制御不能」な災、黒煙に覆われた空...ロシア石油施…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 10
    アサドは国民から強奪したカネ2億5000万ドルをロシア…
  • 1
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中