トランプは習近平率いる中国とロシアの仲を引き裂けるか(写真は2017年11月の北京訪問) JONATHAN ERNSTーREUTERS
<トランプは冷戦2.0を制する能力と気質を備えているだろうか。最終的に冷戦2.0に勝つための、冷戦1.0から得られる教訓とは?>
ドナルド・トランプの米大統領就任を前に不安の声が上がっている。
中国が「冷戦2.0」を仕掛けながら武力衝突への備えを進めるなか、トランプは実利優先の現実主義者として多少の人民元と引き換えに台湾、ひいては東アジアの安定を売り渡すのではないか。
商業的利益にあらがえず、中国製品に60%以上の関税を課す計画を撤回するのでは?
トランプのMAGA(アメリカを再び偉大な国に)計画は単に自己中心的で孤立主義的なものなのか──。
トランプが重要ポストに指名した顔触れからは、これらの問いへの答えがノーであることが強く示唆される。
国家安全保障問題担当の大統領補佐官、CIA長官、国防長官、国連大使、国土安全保障長官、米通商代表部代表......。いずれの候補も対中タカ派で、トランプの「力による平和」を支持している。
この理念は近代アメリカで最も効果的な非孤立主義かつタカ派の大統領で、冷戦1.0を西側の勝利へと導いたロナルド・レーガンから受け継がれたものだ。
ただし、最終的に冷戦に勝つためには強硬姿勢に加え、目先の利益に惑わされない資質を備えた指導者が必要だ。冷戦1.0から得られる教訓とは?
トランプ株式会社は冷戦2.0を制する能力と気質を備えているだろうか。
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