韓国12.3戒厳令が教える直接選挙による大統領制の負の側面
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12月7日夜、尹錫悦大統領に対する弾劾訴追が不成立となったなか、国会前のろうそく集会には約15万人が集まった。 Chris Jung via Reuters Connect
<突然の戒厳令から1週間、今週末も予定されるろうそく集会と弾劾訴追の行方は?>
12月7日夜、韓国国会で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が提出されたが不成立となった。
尹大統領は12月3日夜、何の前触れなしに戒厳令を宣布した。戒厳令は宣布から6時間で解除となったが、野党が大統領弾劾訴追案を国会に提出し、7日夜に採決が行われることになった。
韓国の大統領は国会議員の3分の2以上が弾劾案に賛成すると職務停止となり、憲法裁判所が罷免か否かを審理する。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は国会で弾劾訴追案が可決して職務停止となったが、憲法裁判所が棄却して職務に復帰した。朴槿恵(パク・クネ)大統領は弾劾決議後、憲法裁判所が罷免を下した。
現在、韓国国会は与党108議席、野党192議席で、7日の弾劾訴追案は与党議員105人が採決を欠席したことから可決に必要な200票を満たすことができないとして投票が成立せず廃案処理された。
尹大統領は弾劾を免れたが退陣を求める野党の攻勢に加えて、市民によるデモ"ろうそく集会"の活発化も避けられない。