アサド氏はロシアに亡命...シリア反体制派が首都掌握、中東の転換点に
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12月8日、シリアの反体制派は、抵抗を受けることなく首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放した。これにより、父の政権から50年余り続いたアサド一族による体制が崩壊した。写真は反体制派のゴラニ最高指導者。ダマスカスで撮影(2024年 ロイター/Mahmoud Hassano)
シリアの反体制派は8日、抵抗を受けることなく首都ダマスカスを掌握し、アサド大統領を追放した。これにより、父の政権から50年余り続いたアサド一族による体制が崩壊した。
ロシア国営メディアは同国大統領府の関係者の話として、シリアのアサド前大統領が人道的な理由で亡命を認められ、家族とともにモスクワに到着したと伝えた。
アサド政権の崩壊でイランとロシアがアラブ世界に影響力を行使していた「とりで」が拭い去られた形となり、中東にとって大きなターニングポイント(転換点)となる。
トルコが部分的に支援し、イスラム教スンニ派のジハード(聖戦)主義に根ざした反体制派の手によるアサド政権の突然の転覆は、イランが同盟相手に武器を行き渡らせることを制限するほか、ロシアは地中海の海軍基地を失う可能性がある。トルコ、レバノン、ヨルダンにまたがるキャンプに10年以上散らばっていた数百万人の難民が故郷に帰還する道を開くかもしれない。
反体制派のゴラニ最高指導者はダマスカス中心部にあるモスクで大衆を前に「兄弟たちよ、偉大な勝利を経てこの地域全体に新たな歴史が刻まれようとしている」と語り、多大な努力によってシリアは「イスラム国家の道標」になるとした。
反体制派連合は権力移譲を完了させるため行動していると表明した。
アサド政権下で首相を務めたジャラリ氏は自由選挙を求め、移行期間について話し合うためゴラニ氏と接触していると述べた。