「先生、私たちは強制送還されるんですか?」...トランプ再選の翌日にアメリカの教室で起こったこと
Our Children Are Our Future
今の時代、あらゆるもの、気象でさえもが政治化されている。許されている範囲で、どう説明するべきか......。
きちんと答える前に、生徒は友人との会話に気を取られた。それを見て、思わず安堵のため息をついた。とはいえ、自分は臆病者だという気がしてならなかった。教師として、期待に応えられなかったという気持ちも。
自分は無力だと感じていた。でも、ならば生徒たちは?
私には、少なくとも一票を投じる力がある。成人として、政権を担う人物を選ぶ過程で声を上げられる。
「子供は未来」は本当だ
一方、生徒たちは自分が選べない人々に統治される立場だ。周囲で政策や政治的主張がつくり上げられ、自分が口にできるもの、利用できるソーシャルメディア、通える学校、医療サービスの在り方が決定されていく。
だが移民送還について話をした直後、教室は笑い声や質問、科学的好奇心でいっぱいになった。生徒たちが夢中になっていたのは、その日の授業のテーマである「地震」だ。
手作りの地震計でシミュレーションの地震の震度を計測したり、建造技術や備えによってダメージを最小化する方法を説明し合ったりしていた。
つまり、彼らは未来に目を向けていた。未来をよりよいものにするため、自分たちにできることを考えていた。