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フィリピンのドゥテルテ副大統領、マルコスJr.大統領「殺害」指令の衝撃と波紋

2024年12月2日(月)12時02分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌東南アジア担当エディター)
ドゥテルテ(左)とマルコス

ドゥテルテ(左)とマルコスの蜜月はあっという間に終わった(22年6月) ELOISA LOPEZーREUTERS

衝撃的な発言が飛び出したのは、11月23日のオンライン記者会見でのことだった。この会見でフィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領は、彼女自身の命に対する陰謀があり、もし自分が暗殺された場合には、フェルディナンド・マルコスJr.大統領夫妻と、大統領のいとこでもあるマーティン・ロムアルデス下院議長を殺すために人を雇って指示してあると述べた。

捜査当局は、この発言が犯罪に該当する可能性を指摘。すると、ドゥテルテはすぐさま、殺害を計画しているわけではないと釈明した。


ドゥテルテは26日、記者会見での発言は文脈を無視して切り取られたものであり、「計画」はあくまでも自分が暗殺された場合の話だと強調した。「政権に問いたい。『墓場の中からの報復は犯罪なのか』。この計画は実体のないものだ」

政権側は殺害予告を軽く受け流すつもりはない。マルコスは25日にビデオメッセージを公開し、「見過ごすことはできない」と発言。国家捜査局は26日、ドゥテルテに出頭を求める召喚状を発した。

この1年半ほどの間、マルコスとドゥテルテは激しく反目し合ってきた。

2人は2022年の大統領選前に手を結び、マルコスが大統領候補、ドゥテルテが副大統領候補として立候補し、2人とも地滑り的な圧勝を収めた。しかし、共闘は長続きしなかった。性格と政治的利害の不一致により、関係がたちまち悪化したのだ。

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