国際刑事裁判所がミャンマー国軍総司令官に逮捕状請求 ロヒンギャ迫害で
11月27日、オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は、ミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官(写真)の逮捕状を請求する意向を明らかにした。2021年3月、ネピドーで撮影(2024年 ロイター)
オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は、ミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官の逮捕状を請求する意向を明らかにした。ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャに対する迫害に関する人道上の犯罪が理由だ。
ミャンマー国軍が2017年8月に開始した攻撃作戦を逃れるため100万人に上るロヒンギャが国外に避難し、その大半はバングラデシュの難民キャンプに向かった。
国連の調査団は、こうしたミャンマー国軍の行動は典型的なジェノサイド(民族大虐殺)とみなし、兵士や警察官、仏教徒らが西部ラカイン州にあった数百カ所のロヒンギャ集落を破壊し、住民を拷問したり、大量殺人や集団レイプに関与したりしたと主張している。
ミャンマー政府は国連の見解を否定した上で、警察の拠点を攻撃した民兵に対する治安部隊の正当な作戦実行だと反論している。
バングラデシュの難民キャンプで暮らすロヒンギャのある男性は「ミンアウンフラインは何の罪もないロヒンギャに対するジェノサイドを指揮した責任がある。彼の命令で国軍は何千ものロヒンギャを殺し、数え切れない女性や少女がおぞましい性的暴行にさらされた」と訴えた。
ICCの捜査を支援してきた国連独立調査団トップのニコラス・クムジアン氏は、ミャンマー国軍総司令官の逮捕状請求について「法を超越できる犯罪者はいないという強いメッセージを送ることになる」と説明した。
今後はICCの裁判官3人で構成する法廷が、ミンアウンフライン氏のロヒンギャ迫害に関する犯罪に責任があると認定すれば、逮捕状が正式に発効する。
ミャンマー側はロイター宛の声明で、同国はICCに加盟しておらず、ICCの発表を認識していないとコメントした。
2024年12月3日号(11月26日発売)は「老けない食べ方の科学」特集。脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす最新の食事法。[PLUS]和田秀樹医師に聞く最強の食べ方
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら