最新記事
米中関係

対中強硬派ぞろいのトランプ政権に紛れ込んだ「親中」イーロン・マスクはどう動く

China Braces for New Era as Biden Makes Last Stand With Xi

2024年11月18日(月)18時24分
アデオラ・アデオサン
北京訪問中のイーロン・マスク

昨年4月に北京を訪問したときのイーロン・マスク(左)。テスラ社のEV生産台数の半分は上海のギガファクトリーが担っている はReuters TV/via REUTERS BEST QUALITY AVAILABLE

<米中国交正常化の仲介役となったキッシンジャーのような役割を期待する声もあるが、実業家として利益だけが目当てと思われる節もある>

アメリカのジョー・バイデン大統領と中国の習近平国家主席は11月16日、アジア太平洋経済フォーラム(APEC)首脳会議に出席するため訪問中のペルーの首都リマで首脳会談を行った。バイデンと習の直接対談はこれが最後となるとみられる。

ドナルド・トランプ次期大統領が実業家のイーロン・マスクを閣僚に指名したことで、次期政権は複雑な「事情」を抱えることとなった。今後の米中関係も見通しにくい状況だ。

習は慎重な言葉選びで、トランプにはあえて言及せずに外交の継続性を求める中国政府の希望を強調した。「中国はアメリカの新政権と協力して対話を維持し、協力を拡大し、違いに対処し、両国民の利益のための中米関係の堅実な移行に向けた努力を行う用意がある」と、習は通訳を通して述べた。

電気自動車大手テスラのCEOであり、トランプの選挙運動に数千万ドルの寄付を行ったマスクは、実業家のビベック・ラマスワミとともに新設される予定の「政府効率化省」を率いることになっている。

新政権の内部では、対中政策に関して意見の激しい相違が見られる。トランプは対中タカ派のマルコ・ルビオ上院議員とマイク・ウォルツ下院議員を、それぞれ国務長官と大統領補佐官(国家安全保障担当)に指名した。トランプは中国からの輸入品に60%の関税をかけ、メキシコで製造された中国メーカーの電気自動車に制裁措置を取ると主張。

お知らせ
【3/26、3/29開催】編集部に感想・提案をお寄せください(オンライン読者交流会)
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは150円半ば、株高で円じり安

ビジネス

シカゴ連銀総裁、1年後の金利低下見込む 不確実性も

ワールド

退院のローマ教皇、一時は治療打ち切りも検討 担当医

ビジネス

インタビュー:ドル円は120円台が実力か、日本株長
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 10
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中