ロバート・ケネディJr.が閣僚入りする本当のヤバさ
大統領といえども全てを好き勝手に決める権限はない。国民のワクチン接種が阻まれたり、水道水へのフッ素の添加が禁止されたりすることはないだろう。それでも、ケネディの保健福祉長官就任は、アメリカ政府で客観的事実に基づいた意思決定がさらにないがしろにされることを意味する。
ケネディは、これまでさまざまな陰謀論を唱えてきた。一握りの大富豪が製薬会社と結託して、アメリカ国民をコントロールしようとしているという考え方を広めている。また、ワクチンが子供の自閉症に関連していると本気で信じていて、Wi-Fiが癌を引き起こす可能性があると根拠もなく決め付けている。
新型コロナワクチンをめぐる虚偽情報の拡散に関しては、トランプのさらに上を行く。新型コロナワクチンにより何百人もが死亡したと主張。アメリカの新型コロナ対策を主導したアンソニー・ファウチ元首席医療顧問を「欧米の民主政治に対する歴史的なクーデターの黒幕」と呼び、彼を刑事裁判にかけるべきだとも述べている。
荒唐無稽な主張はこれだけにとどまらない。起業家で大富豪のビル・ゲイツが新型コロナワクチンにより人々の体にマイクロチップを埋め込み、人々の行動を追跡しようと企てているとか、新型コロナが白人や黒人など「特定の民族を攻撃」して、東欧系ユダヤ人と中国人を救うための「生物兵器」であるとも示唆してきた。