衰退するアメリカのアフリカ外交...トランプ氏の大統領復帰で一変か
国務省の監視機関、監察総監室(OIG)が出した多数の報告書は、大使館の人員不足により、政治的・経済的安定の推進など米国の目標達成が損なわれている実態を詳細に伝えている。
例えば6月の報告書によると、中央アフリカ共和国は米国から数百万ドルの支援を受けながら、ロシア人傭兵に警護を依頼している。現地の米大使館は人員が不足しているため大使の会議にはしばしば議事録係がおらず、またインターネット接続が弱いため書類の送信に数時間を要することがあるという。
2023年には200万ドル相当の備蓄品が紛失し、現地採用の職員による窃盗や詐欺行為が一因だったと報告書は伝えている。
米国にとって国家安全保障上の最優先事項である中国との競争が求められる地域でさえ、人材不足は深刻だ。米議会高官は昨年、世界最大のボーキサイト埋蔵量を誇るギニアにおいて政治対応部署が空席で、同国からの輸出の大半が中国に向かっているとロイターに明かした。「部署全体が空っぽで、明かりも消えていた」という。
カット、カット、カット
ウクライナや中東で大きな戦争が続く中、トランプ氏の外交政策においてアフリカの優先度は低いかもしれない。トランプ氏はまだアフリカ・チームを任命していない。ハリス副大統領が11月5日の米大統領選の数日前にチームを任命したのとは対照的だ。
トランプ氏は前政権時代、アフリカ諸国をトイレに例えたと報じられ、同地域の怒りを買った。