最新記事
アフリカ

衰退するアメリカのアフリカ外交...トランプ氏の大統領復帰で一変か

2024年11月13日(水)13時20分

国務省の監視機関、監察総監室(OIG)が出した多数の報告書は、大使館の人員不足により、政治的・経済的安定の推進など米国の目標達成が損なわれている実態を詳細に伝えている。

例えば6月の報告書によると、中央アフリカ共和国は米国から数百万ドルの支援を受けながら、ロシア人傭兵に警護を依頼している。現地の米大使館は人員が不足しているため大使の会議にはしばしば議事録係がおらず、またインターネット接続が弱いため書類の送信に数時間を要することがあるという。


 

2023年には200万ドル相当の備蓄品が紛失し、現地採用の職員による窃盗や詐欺行為が一因だったと報告書は伝えている。

米国にとって国家安全保障上の最優先事項である中国との競争が求められる地域でさえ、人材不足は深刻だ。米議会高官は昨年、世界最大のボーキサイト埋蔵量を誇るギニアにおいて政治対応部署が空席で、同国からの輸出の大半が中国に向かっているとロイターに明かした。「部署全体が空っぽで、明かりも消えていた」という。

カット、カット、カット

ウクライナや中東で大きな戦争が続く中、トランプ氏の外交政策においてアフリカの優先度は低いかもしれない。トランプ氏はまだアフリカ・チームを任命していない。ハリス副大統領が11月5日の米大統領選の数日前にチームを任命したのとは対照的だ。

トランプ氏は前政権時代、アフリカ諸国をトイレに例えたと報じられ、同地域の怒りを買った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:ルビオ氏の米国務長官指名、対中戦略のタカ派転

ワールド

CFTC委員長は内部起用を検討、トランプ政権移行チ

ビジネス

NY外為市場=ドル1年ぶり高値、トランプトレード続

ビジネス

英国、自由貿易支持すべき 世界経済の分断化見据え=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 5
    NewJeansメンバー全員が事務所に最後通告「ミン・ヒジ…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    世界中で「キモノ」が巻き起こしたセンセーション...…
  • 10
    トランプ就任前に少しでもウクライナ領土が欲しい!…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫フ…
  • 5
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 10
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 8
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 9
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 10
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中