衰退するアメリカのアフリカ外交...トランプ氏の大統領復帰で一変か
11月11日、 アフリカ大陸は米国の影響力が衰退する一方、中国やロシアとの同盟関係を強めており、ジハード(聖戦)勢力による反乱も拡大している。写真は4月、ニジェール・ニアメで米軍の撤退を求める人々(2024年 ロイター/Mahamadou Hamidou)
アフリカ大陸は米国の影響力が衰退する一方、中国やロシアとの同盟関係を強めており、ジハード(聖戦)勢力による反乱も拡大している。現地の米大使館は人員不足が深刻で、トランプ米次期大統領は大陸の急速な変化を理解するのに苦心するだろう。
ロイターが米政府の現職と元高官8人に話を聞き、米政府監視機関がまとめた報告書も検証したところ、バイデン政権下で在アフリカ大使館の人員とリソースが枯渇し、米国の目標達成に支障が出ている実態が浮かび上がった。
米国は過去4年間、アフリカ外交で数々の挫折を経験した。ニジェールで主要な諜報基地を失ったのがその一例だ。同国のサヘル地域ではロシアを後ろ盾とした軍事政権が発足し、世界のテロの温床となりつつあるが、米国は同地域で足がかりを失ってしまった。
ギャラップが今年実施した世論調査では、アフリカでは中国の人気度が米国を追い抜き、米国はソフトパワー面でも後退している。
米中央情報局(CIA)の元アナリストで、民主党・共和党両政権下でアフリカ関連のさまざまな任務を担当したキャメロン・ハドソン氏は、リソース不足が誤りを招いたと指摘。昨年4月のスーダンでの戦争勃発が寝耳に水だった実態や、空軍基地を巡るニジェール軍事政権との交渉失敗を例示した。
現在は戦略国際問題研究所(CSIS)に所属するハドソン氏は、米国は各国の政治力学や軍事力学を理解する上で「大きな盲点がある」とし、「これは米国の外交が直面する大きな問題であり、特にアフリカでは深刻だ」と指摘した。
米国務省はロイターの質問に答え、アフリカ駐在のポストは学校や医療の不足に加え、多くの勤務地が僻地にあることが理由で敬遠されると説明。困難なポストへの勤務を奨励するため、金銭的および非金銭的なインセンティブを用意していると付け加えた。
アフリカにおける米国の衰退を示す兆候は他にもある。
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