ロシア国家予算の1/3が軍事費に...国内経済は「好調」も、その裏で忍び寄る「さらなる大増税」
「これは増税、債務返済コスト、地政学的支出の予算だ」とPEキャピタルのエコノミスト、エフゲニー・ナドルシン氏は語った。
ナドルシン氏は、ロシアから撤退する外国企業に対する「出国税」の引き上げや、こうした企業資産のロシア人購入者から寄付金を集める計画を、政府による新たな税制措置の例として挙げた。
「最近の予算ほど、あらゆる可能な財源から歳入を引き出すことに重点が置かれものはない」とナドルシン氏は述べた。
<他で支出削減>
ロイターが予算案を分析したところ、25年に導入される予定の他の支出削減措置には、中小企業支援の11.6%削減や教育開発プログラムへの資金の11%削減などが含まれる。
公的年金の補填資金を含む社会保障のための地方予算への補助金は31%削減され、社会サービス近代化プログラムへの資金は35%減少する。
「2025年の予算は、プーチン大統領が戦争資金を調達するためにほぼすべての分野で支出を削減せざるを得ないことを示唆している」と、中央銀行の元副総裁で経済学者のセルゲイ・アレクサシェンコ氏は言う。
コリチェフ財務副大臣は、ウクライナ戦争開戦後、軍事費はGDP比の3.0─3.5%増加したが、総支出はわずか2%しか増加していないと指摘した。