最新記事
財政

ロシア国家予算の1/3が軍事費に...国内経済は「好調」も、その裏で忍び寄る「さらなる大増税」

2024年11月2日(土)11時58分
ロシア経済は好調も軍事費増大で増税が迫る

10月31日、 ロシア政府は3年目に入って膨らむ一方のウクライナ戦費を調達するため、さらなる増税を余儀なくされるとの見方が経済学者から出ている。モスクワで8月撮影(2024年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシア政府は、3年目に入って膨らむ一方のウクライナ戦費を調達するため、さらなる増税を余儀なくされるとの見方が経済学者から出ている。すでに発表されている増収策では十分ではないと彼らは指摘している。

ロシアの2025年度予算案では、総支出の約3分の1、国内総生産(GDP)の6.3%相当が軍事費に割り当てられている。これは冷戦以来の最高水準だ。また防衛費の割合が社会保障費の2倍になるのは初めてだ。


軍事費の大幅な増加はロシア経済にインフレ圧力をもたらしている。金利は2003年以来の高水準に上昇し、ルーブルはドルに対して1年ぶりの安値に下落した。西側諸国の制裁によりモスクワは事実上、国際債券市場から締め出されているため、資金調達の選択肢は限られている。

ロシア政府はすでにウクライナ戦争の資金を調達するために増税を開始している。大規模な税制改革により、25年にはGDPの1.7%に相当する追加歳入が生み出されると予想されているが、経済学者は、これでは十分ではないと指摘する。

「国内税の調整は当局にとって常に焦点であり続けるだろう。2025年には税法や規制を改正する多くの取り組みが見られる可能性がある」とアルファ・ウェルスのアレクセイ・クリミュク氏は述べた。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中が24日会合、貿易摩擦緩和目指し=トランプ氏

ビジネス

米3月耐久財受注9.2%増、予想上回る 民間航空機

ワールド

トランプ氏、ロのキーウ攻撃を非難 「ウラジミール、

ビジネス

米関税措置、独経済にも重大リスク=独連銀総裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 5
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 8
    謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止め…
  • 9
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中