ガザ北部で居住ビル攻撃、93人死亡 米国はイスラエルに説明要請
イスラエルの空爆に巻き込まれて93人が死亡した居住ビル(10月29日、ガザ北部) NBCNews/YouTube
パレスチナ自治区ガザ北部のベイトラヒヤで29日、居住用ビルがイスラエルの攻撃を受け、少なくともパレスチナ人93人が死亡した。負傷者も多数出ている。ガザ保健当局が明らかにした。
医療関係者によると、死者には20人の子どもが含まれている。
米国務省のマシュー・ミラー報道官は、数十人の子どもが死亡するような「恐ろしい結果」をもたらした今回の攻撃について、米政府はイスラエル政府に説明を求めたと明らかにした。
その上で、米国が紛争終結のための停戦を望む理由が改めて示されたとし、停戦はイスラエルの利益にもなると語った。
今のところイスラエルはコメントを出していない。同国軍はこれまで、ハマス側が発表する死者数は誇張されていると疑義を呈している。
ロイターが入手した動画には、爆撃を受けた4階建ての建物前の地面で数人の遺体が毛布に包まれているのが映っている。近隣住民が救助に駆けつけ、さらに多くの遺体と生存者が残骸の下から回収されたり、救出されたりしていた。
遺体収容を手伝っていた目撃者のイスマイル・ウアイダ氏は動画の中で「この家には何十人もの避難民が住んでいた。この家は事前の警告なしに爆撃された。見ての通り、殉教者があちこちにいて、体の一部が壁にぶら下がっている」と語った。
保健当局は29日、医師が近くの病院からの避難を余儀なくされたため、負傷者は治療を受けることができないと表明した。
ガザの救急当局は、3週間にわたるイスラエルによるガザ北部への攻撃のため、業務を停止していると述べた。