真の狙いは「世界支配」...トランプを「神に選ばれし者」と信じるキリスト教右派の集会を覗いてみたら【潜入ルポ】

Trump as God’s Chosen One

2024年10月22日(火)18時11分
モリー・オルムステッド(スレート誌記者)

「予言された」暗殺未遂

周りを見渡すと、30分ほど前まで神の恵みについて楽しそうに歌っていた人々が、大声を出し、歓声を上げていた。誰かが後ろで叫んだ。「戦争だ!」

新カリスマ運動の預言者らによると、7月13日のトランプ暗殺未遂は予言されていた。


その4カ月前の3月14日、オクラホマ州の預言者が、間近に控えた日食の霊的な影響について話したポッドキャストのエピソードをYouTubeで配信した。35万9000人の登録者を持つ彼は、自分が見たビジョンについても触れている。

「トランプが立ち上がり、彼の命が狙われるのが見えた。弾丸が彼の耳の近くを通り、鼓膜が破れるほど彼の頭に近づいた」

トランプが実際に、暗殺未遂で耳を負傷しながらも生還すると、新カリスマ運動の支持者らは、この事件を「奇跡」の「証拠」として語った。

ウォルナウは後にフェイスブックでこう述べている。

暗殺未遂について知ったとき、「段ボールで作ったトランプの像を置いている」祈りの小部屋に行き、「祈りながらトランプの段ボールの耳を両手で包み込んだ」。その時はトランプがどこを撃たれたのかは知らなかったと彼は語った。

こうして、「トランプは神に選ばれた」ことは、信者たちにとって疑いようがなくなった。

金融
日本のウェルスマネジメントは欧米とどう違う?...MUFGが「今こそ必要」と考える理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

JDI、中国安徽省の工場立ち上げで最終契約に至らず

ビジネス

ボルボ・カーズの第3四半期、利益予想上回る 通年見

ビジネス

午後3時のドルは152円前半、「トランプトレード」

ビジネス

ドイツ銀、第3四半期は黒字回復 訴訟引当金戻し入れ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはどれ?
  • 3
    リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと
  • 4
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    トルコの古代遺跡に「ペルセウス座流星群」が降り注ぐ
  • 7
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 8
    中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない
  • 9
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 10
    「ハリスがバイデンにクーデター」「ライオンのトレ…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    北朝鮮を訪問したプーチン、金正恩の隣で「ものすご…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中