最新記事
ウクライナ戦争

ストームシャドウ、GMLRSでロシア軍司令部を「首尾よく攻撃」...3回にわたる大爆発を捉えた映像が話題に

Ukraine Lands Storm Shadow Blow on Three Russian Command Centers: Video

2024年10月8日(火)21時05分
エリー・クック
ストームシャドウ

2006年7月、ファーンボロー国際航空ショーで展示されたストームシャドウ  Flying Camera-Shutterstock

<ウクライナに供与された英仏共同開発の長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」がロシア軍の拠点に着弾した瞬間を捉えたものとみられる映像が共有された>

ウクライナが西側諸国から供与された巡航ミサイルを含む長距離兵器を使用し、同国東部のロシア陣地を攻撃したとする動画が公開された。ロシアがウクライナの重要な都市を目指して進軍する中での出来事だった。

【動画】1つの映像で3度の大爆発...ストームシャドウとGMLRSでロシア軍司令部を「首尾よく攻撃」する衝撃シーン

ウクライナ軍は5日、英仏が製造した巡航ミサイルと誘導型多連装ロケットシステム(GMLRS)でロシア軍の司令部3カ所を「首尾よく攻撃した」と発表。巡航ミサイルは英仏が共同開発したもので、イギリスではストームシャドウ、フランスではSCALPと呼ばれている。

ウクライナによれば、攻撃された3つの司令部はロシアの第35独立自動車化狙撃旅団、第27独立自動車化狙撃旅団、第2諸兵科連合軍のもの。被害状況や死傷者数は明らかになっていない。

英スカイニュースは4日、ウクライナ治安当局の匿名の情報筋から入手したとして、この攻撃のものとみられる動画を共有した。この人物はスカイニュースの取材に対し、「ポクロウシクに向かってゆっくりと進軍する大規模な部隊」に関連するロシア軍司令部2カ所への攻撃を映したものだと説明している。

ロシアはドネツク州を西に向かって進軍している。同州はロシアが重視する地域の一つで、数百キロにもわたる前線を抱えている。

ロシア軍は数カ月にわたる激しい攻撃の末、今年2月にウクライナが拠点を置いていたアウディーイウカを制圧した。アウディーイウカはロシアが支配する州都ドネツクの郊外に位置する都市だ。

スカイニュースによれば、ウクライナの攻撃は4日午前11時ごろにアウディーイウカで発生したという。あるオープンソース・インテリジェンス(OSINT)のアカウントはソーシャルメディアで、アウディーイウカの鉄道施設とコンクリート工場への攻撃を位置情報で確認したと述べている。

前線の状況を日々追跡するアメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)は8月、本誌の取材に対し、ロシア軍は2月から8月にかけてウクライナ軍がドネツク州の後方支援の拠点にしているポクロウシクを目指し、アウディーイウカの西側で毎日約2平方キロずつ前進していると述べていた。

ISWによると、2月にアウディーイウカを制圧する以前は毎日約0.2平方キロの前進だったという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 5
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 8
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 9
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 10
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中