最新記事
ウクライナ情勢

ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライナ軍MANPADSの餌食になる瞬間の映像を公開

Russian $50M combat jet shot down over Black Sea: Ukraine video

2024年9月13日(金)19時29分
ブレンダン・コール
ウクライナMANPADSがロシアSu-30M戦闘機を撃墜

Tatyana Makeyeva-Reuters

<クリミア半島を拠点とし、ウクライナ軍の奪還作戦を阻止するため出撃したと見られるロシアSu-30M戦闘機が撃墜された瞬間だという動画が拡散している>

ウクライナ国防情報局(DIU)は、黒海上空でロシア軍の最新鋭戦闘機を撃墜したと発表。その様子を捉えたとする動画を公開した。動画に映っているのは、ウクライナ軍の部隊が携帯式防空ミサイルシステム「MANPADS」を使用して、約5000万ドル相当のロシア軍のスホーイSu-30SM戦闘機を撃墜した瞬間だという。

■【動画】「ロシア最高の戦闘機」が、ウクライナ「携帯式兵器」に撃墜される瞬間...爆発したSu-30Mは海中で発見

DIUによればこの戦闘機はロシア空軍の第43独立海洋航空連隊に所属しており、ロシア軍の占領下にあるクリミア半島のサキ飛行場を拠点としていた。Su-30SMは9月11日の午前5時頃にレーダーから機影が消え、AN26型輸送機やMi8輸送ヘリコプター、Ka-27ヘリコプターを投入して捜索救助活動が行われたという。

翻訳によればDIUは声明の中で、「侵略者(ロシア)はタルハンクト岬の北西70キロ地点の海上で航空燃料に特徴的な痕跡を発見したと司令部に報告し、その後すぐに破壊されたSu-30SMの残骸を発見した」と述べた。

公開された動画は上空から撮影されたもので、戦闘機が飛行する様子が映し出された後に、空中で爆発するシーンに切り替わる。この動画はソーシャルメディア上で大きな反響を呼んだ。

X(旧ツイッター)ユーザーのC4H10FO2Pはこの53秒間の動画を共有し、「ウクライナ国防省情報総局(GUR)のボートから発射されたMANPADSによりSu-30SMが破壊された」と投稿した。

ロシア空軍にとってまたもや大きな損失と話題に

別のユーザーのOSINTtechnicalは、次のように書き込んだ。「ウクライナ軍の特殊部隊が火曜日に黒海の石油プラットフォームに奇襲攻撃を行った際、ロシア海軍の多目的戦闘機Su-30SMを撃墜することに成功した。(ウクライナ軍のドローンが標的を特定し)MANPADSチームがロシア軍の戦闘機を攻撃したようだ」

また別のユーザーのRod Francisは「クリミア近郊でSu-30SM戦闘機が墜落した。ロシア空軍にとってまたもや大きな損失だ」と投稿し、さらにこう続けた。「Su-30SMはロシア軍の最高の戦闘機の一つで、近代化された多目的ジェット戦闘機だ。ウラジーミル・プーチンにとっては5000万ドルの損失を意味する。残念だね」

これに先立ち、ロシア語のソーシャルメディアチャンネルがこの多目的戦闘機(NATOのコードネームは「フランカーC/G/H」)の失踪と捜索について報じていた。テレグラムチャンネル「Crimean Wind」によれば、Su-30SMは任務中にウクライナ本土に向けて4発のKh-31P対レーダーミサイルを発射していたということだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドローン攻撃」、逃げ惑う従業員たち...映像公開
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中